害虫駆除の新規開拓で効果の出る営業方法は?テレアポ・飛び込み営業用のトークも紹介
害虫駆除の営業で成果を出すには、営業先ごとの特徴を理解した上でアプローチ方法を変えることが重要です。
法人には定期契約、個人には即日対応という切り口で提案すれば、価格だけの勝負から抜け出せます。また、テレアポや飛び込み営業では、第一声で警戒心を下げる工夫が成約率を左右します。
この記事では、法人・個人それぞれの営業方法から、実際に使えるテレアポ・飛び込み営業のトーク例まで、現場ですぐに実践できる内容を解説します。
害虫駆除の営業先の種類
害虫駆除の営業先は、法人と個人に分かれます。
それぞれ単価や契約の形、営業のしやすさが異なるため、特徴を理解した上で狙い先を決めることが重要です。
| 比較項目 | 法人 | 個人 |
|---|---|---|
| 単価の目安 | 月額3万円〜5万円 | 1.5万円〜2万円(蜂の巣駆除の場合) |
| 契約形態 | 定期契約が中心 | 単発依頼が中心 |
| 成約までの期間 | 信頼関係の構築に時間がかかる | 即日対応できれば決まりやすい |
| 営業の特徴 | 決裁者へのアプローチが必要 | 相見積もりで価格比較されやすい |
まずは法人の定期契約で収入を安定させて、繁忙期に個人の単発案件で売上を伸ばす。この両立を目指すのが理想です。
以下で、法人・個人それぞれの主なターゲットを解説します。
法人顧客
法人のお客さんは、定期契約を結べば毎月安定して仕事が入るのが最大の魅力です。
信頼関係を築くまでに時間はかかりますが、一度契約すれば長期的な収入源になります。
主なターゲットは以下の4つです。
- 不動産管理会社・オーナー
- 飲食店・食品工場
- ホテル・旅館
- オフィスビル・商業施設
不動産管理会社・オーナー
不動産管理会社は、空室対策と入居者からのクレーム対応のために、継続的に害虫駆除を依頼してくれます。
賃貸物件では、退去後の清掃時にゴキブリやネズミの駆除を依頼されるケースが多くあります。入居者から「虫が出た」とクレームがあれば、管理会社は迅速に対応しなければなりません。
一度信頼関係を築けば、管理物件全体の定期点検を任されることもあります。複数物件を管理している会社と提携できれば、1社との取引だけで毎月安定して仕事が入ります。
【実践のコツ】不動産管理会社への営業の入り口
「退去後の清掃と合わせて害虫駆除もセットで対応できます」と提案すると、管理会社にとっては手間が減るメリットがあり、話を聞いてもらいやすくなります。
飲食店・食品工場
飲食店や食品工場は、法律で定期的な害虫駆除が求められているため、安定した依頼先になります。
2021年6月から、原則としてすべての飲食店にHACCP(ハサップ)という衛生管理のルールが義務付けられました。害虫の侵入防止が重要な管理項目の一つで、定期的な点検と記録が求められています。
飲食店にとって、害虫の発生は保健所からの是正指導の対象となり、最悪の場合は営業停止のリスクもあります。「保健所に指摘される前に対策を打ちたい」と考えている店は多く、定期契約につながりやすい営業先です。
【補足】HACCPを使った営業の詳細
HACCP対応を切り口にした具体的な営業トークは、「害虫駆除の営業方法【法人向け】」の章で解説しています。
出典:公益社団法人日本食品衛生協会「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(小規模な一般飲食店事業者向け)」
ホテル・旅館
ホテルや旅館は、トコジラミ(南京虫)対策で害虫駆除業者を必要としています。
近年、海外からの旅行者の増加とともに、トコジラミの被害報告が増えています。トコジラミは市販の殺虫剤では駆除が難しく、放置すると一気に繁殖するため、専門業者への依頼が必須です。
営業先として狙い目な理由は3つあります。
- 緊急性が高い: トコジラミが発生すると口コミ評価の低下や予約キャンセルに直結するため、すぐに対応してくれる業者が求められる
- 単価が高い: 専門的な知識と技術が必要な作業のため、適正価格で受注しやすい
- 定期契約につながりやすい: 一度被害が出た施設は、再発防止のために定期点検を依頼する傾向がある
出典:日本ペストコントロール協会「機関誌ペストコントロール2024年4月号」
オフィスビル・商業施設
オフィスビルや商業施設は、テナントからのクレーム対応や定期的な衛生管理を目的に害虫駆除を依頼します。
大型施設では、ネズミやゴキブリの侵入経路が複雑で、建物全体を把握した上での対策が必要になります。個別のテナントではなく、施設全体を管理しているビルメンテナンス会社や管理会社が発注元になるのが特徴です。
管理会社と提携できれば、1社との取引で複数施設の定期契約をまとめて受注できる可能性があります。不動産管理会社と同じく、信頼関係を築けば継続的に仕事が入る営業先です。
個人顧客
個人のお客さんは、蜂の巣駆除やシロアリ被害など、急ぎの依頼が中心です。
「今すぐ来てほしい」という人が多いため、即日対応できれば成約しやすくなります。
一方で、相見積もりで価格を比較されやすく、単価が下がりやすい傾向があります。
主な依頼内容と発生時期は以下の通りです。
| 依頼内容 | 発生しやすい時期 |
|---|---|
| 蜂の巣駆除 | 4月〜10月 |
| ゴキブリ駆除 | 6月〜9月 |
| シロアリ駆除・予防 | 4月〜7月 |
個人のお客さんへの集客では、Googleマップでの検索対策や、害虫の発生時期に合わせたチラシ配布が効果的です。
また、単発の対応で終わらせず、「3ヶ月後に再点検に伺います」と伝えてシロアリ予防の定期点検につなげるなど、次の依頼を生む提案も重要になります。
害虫駆除の営業方法【法人向け】
法人向けの営業では、業種ごとの悩みに合わせた提案が定期契約につながります。
効果的な方法は以下の3つです。
- 飲食店へのHACCP対応の提案
- 不動産管理会社との提携
- 建築会社との提携
以下で詳しく解説します。
飲食店へのHACCP対応の提案
飲食店の多くは、HACCPへの対応が必要だと知っていても、具体的に何をすればいいか分かっていません。
「衛生管理の一環としての定期点検」を提案すると、定期契約につながりやすくなります。
提案のポイントは、単なる「駆除」ではなく、「保健所対策」という切り口で話すことです。
【実践のコツ】飲食店に響く提案の一言
「月1回の定期点検で、保健所の立ち入り検査にも対応できる記録を残します」
保健所対策という価値が伝われば、「安いだけの業者」ではなく「営業停止を防いでくれる業者」として選ばれます。価格だけの比較から抜け出せます。
飲食店にとって、害虫の発生は保健所からの是正指導の対象であり、最悪の場合は営業停止のリスクもあります。特に、保健所から実際に指導を受けた店舗は、改善報告書を提出する期限があるため、急いで業者を探しています。
こうした緊急性の高い店舗と接点を持つには、地域の飲食店街を定期的に回ることが有効です。飲食店向けの業者(清掃業者、厨房機器業者など)と情報交換できる関係を作っておくと、「保健所から指導を受けた店がある」という話を聞けることもあります。
緊急対応できる体制があれば、価格交渉なしで適正価格での受注が可能です。
不動産管理会社との提携
不動産管理会社との提携は、継続的に仕事を獲得する上で効率的な方法です。
賃貸物件では、入居者の退去後に原状回復工事を行います。清掃やクロスの張り替えと合わせて、ゴキブリやネズミの駆除を依頼されるケースが多くあります。
管理会社にとっては、信頼できる業者を確保しておくことで、入居者からのクレームに迅速に対応できるメリットがあります。「空室清掃と合わせて害虫駆除もセットで対応できます」と提案すれば、管理会社の手間を減らせる点が響きます。
信頼関係を築くには、以下のステップが効果的です。
- 最初の1〜2件は相場より少し安めの価格で引き受け、実績を作る
- 対応の速さと丁寧さで信頼を積み上げる
- 信頼関係ができたら、適正価格で継続的な取引を交渉する
【注意】最初の値引きはあくまで「投資」
1件目を安くするのは、価格競争に参加するためではなく、実績を見せるための投資です。「この業者は信頼できる」と分かってもらえれば、2件目以降は適正価格で依頼されます。ずっと安い価格で受け続ける必要はありません。
一度信頼されれば、管理している複数の物件から継続的に仕事が入ります。
建築会社との提携
建築会社やリフォーム会社との提携は、シロアリ予防工事を安定して受注できる方法です。
新築住宅やリフォーム工事では、床下のシロアリ予防処理が必要になります。建築会社は本業の工事に集中したいため、シロアリ予防は外注先を探しているケースが多くあります。
提携のメリットは、建築会社からの紹介で仕事が入るため、自分で営業する手間がかからない点です。建築会社にとっても、信頼できる専門業者を紹介できればお客さんからの評価が上がります。
提携を始めるには、まず地域の工務店やリフォーム会社に挨拶回りをします。
- 近所の工務店やリフォーム会社を3〜5社ピックアップする
- 「シロアリ予防工事を専門でやっています。新築やリフォームのお客様がいたら、ぜひご紹介ください」と伝える
- 名刺と料金表を渡しておく
10社回って1〜2社と提携できれば上出来です。すぐに成果が出なくても、名刺を渡しておけば、必要なタイミングで連絡をもらえることがあります。焦らず続けることが大切です。
害虫駆除の営業方法【個人向け】
個人のお客さんは、「今すぐ来てほしい」と思ったときにスマホで検索します。
Googleマップで見つけてもらう仕組みを作れば、飛び込み営業をしなくても依頼が入ります。また、害虫の発生時期に合わせてチラシを配ると、タイミングよく問い合わせを獲得できます。
成果につながりやすい方法は以下の3つです。
- Googleマップの活用
- 季節に合わせたチラシ配布
- マッチングサイトの活用
以下で詳しく解説します。
Googleマップの活用
Googleで「害虫駆除 〇〇市」と検索したお客さんに、自分の事業所を見つけてもらえる仕組みがGoogleマップです。
Googleビジネスプロフィール(登録無料)に申請すれば、検索結果の地図上に自社の情報が表示されるようになります。登録後にやるべきことは、大きく3つです。
- 基本情報を充実させる: 対応エリア、営業時間、電話番号、施工写真を掲載する
- 口コミを集める: 施工後にお客さんへ口コミ投稿をお願いする習慣をつける
- 写真を定期的に投稿する: 施工前後のビフォーアフター写真で技術力を伝える
特に重要なのが口コミです。口コミの数や評価は検索順位に影響するとされており、口コミが多い業者ほど上位に表示されやすくなります。
【実践のコツ】口コミのお願いの仕方
「もしよろしければ、Googleの口コミに一言いただけると嬉しいです」と施工後に伝えるだけで、多くのお客さんが協力してくれます。口コミ投稿ページのQRコードを印刷した名刺を渡すと、さらにスムーズです。
季節に合わせたチラシ配布
害虫の発生時期に合わせてチラシを配ると、「ちょうど困っていた」というタイミングで問い合わせを獲得できます。
ポイントは、害虫が発生してからではなく、発生する1〜2週間前に配ることです。被害が出たときに「そういえばチラシが入っていた」と思い出してもらえます。
| 害虫の種類 | チラシを配る時期 |
|---|---|
| 蜂 | 3月下旬〜4月上旬 |
| シロアリ | 3月中旬〜3月下旬 |
| ゴキブリ | 5月中旬〜5月下旬 |
チラシには、お客さんが不安に感じやすいポイントを解消する情報を入れます。害虫駆除業界では「後から高額請求されるのでは」という不信感が強いため、料金の透明性を示すことが特に効果的です。
チラシに入れるべき4つの情報は以下の通りです。
- 即日対応可能: 「今すぐ来てほしい」というニーズに応える
- 見積もり無料: 相談のハードルを下げる
- 追加料金なし: 「後から高くなるのでは」という不安を消す
- 料金表の明記: 具体的な金額を示して安心感を与える
配布エリアと頻度は、自分の対応範囲に合わせて調整します。目安として、対応エリア内の住宅に月1回のペースで続けると、地域で認知されやすくなります。
【補足】チラシの作り方
デザインテンプレートを使えば自作も可能です。CanvaやラクスルなどのWebサービスでは、テンプレートを選んで文字を入れるだけでチラシが作れます。印刷も1枚数円から外注でき、大きな費用はかかりません。
マッチングサイトの活用
マッチングサイトを活用すれば、自動で集客することができます。
害虫駆除を依頼したい人が条件を入力すると、対応可能な業者に自動で通知が届く仕組みです。中でもミツモアは、現場作業中でも、システムが自動で見積もりを提示してくれるため、営業の手間をかけずに仕事を獲得できます。
マッチングサイトには大きく分けて2つのタイプがあります。
| タイプ | 費用の仕組み | 特徴 |
|---|---|---|
| 月額固定型 | 毎月固定の利用料が発生 | 仕事が取れなくても費用がかかる |
| 成約連動型 | 登録料・掲載料は無料 | 仕事が取れなかった月は支払いゼロ |
開業直後や一人親方の場合、月額固定費がかからないサイトを選ぶのが安全です。ミツモアは登録料・掲載料が無料で始められるサイトの一つです。
【補足】マッチングサイトの選び方
月額固定型は、すでに安定した売上がある事業者向けです。開業直後は、仕事が取れなかった月の固定費が負担になるリスクがあります。まずは固定費のかからないサイトで試して、仕事が安定してきたら他のサイトも検討するのが現実的です。
害虫駆除の新規開拓で使える営業トーク【テレアポ】
テレアポで断られる最大の理由は、「売り込まれる」という警戒心です。
最初に「無料点検」や「困ったときの連絡先をお伝えしたい」など、相手にとってのメリットを伝えると話を聞いてもらえます。警戒心を解いてからアポイントにつなげるのが基本です。
テレアポの流れは、業種に関わらず以下の4ステップです。
- 第一声で警戒心を下げる
- 相手の困りごとに触れる
- 訪問につなげる一言を伝える
- 断られたら連絡先だけ残す
この流れを押さえた上で、業種ごとに「切り口」を変えます。以下では、まず共通で使える基本トークを紹介し、その後に業種別の切り口を解説します。
テレアポの基本トーク(業種共通)
ステップ1:第一声で警戒心を下げる
「お忙しいところ失礼いたします。〇〇市で害虫駆除を専門にしております、〇〇の〇〇と申します。」
(少し間を取る)
「○○についてご案内したくお電話しました。1分だけお時間いただけますか。」
○○の部分には、相手の業種に合わせた切り口を入れます(後述)。
【実践のコツ】第一声の話し方
「1分だけ」と短い時間を伝えることで、相手の心理的なハードルが下がります。いきなり売り込まず「ご案内したい」という柔らかい表現を使うと、警戒心を和らげられます。話すスピードはゆっくり、一文ごとに間を取ることを意識します。
ステップ2:相手の困りごとに触れる
ここが業種ごとに変わるパートです。相手が「それは自分に関係ある話だ」と感じる切り口を使います。具体的なトーク例は、次のセクションで業種別に紹介します。
ステップ3:訪問につなげる一言を伝える
「もしよろしければ、一度ご挨拶も兼ねてお伺いして、具体的な対応内容と料金をご説明させていただければと思います。来週でご都合のよい日はありますか。」
「ご挨拶も兼ねて」という表現で、売り込みではなく関係構築が目的だと伝えます。「来週のご都合はいかがですか」よりも「来週でご都合のよい日は」と聞く方が、相手が具体的に答えやすくなります。
ステップ4:断られたら連絡先だけ残す
「承知しました。もし今後、急ぎの駆除が必要になった際にご連絡いただければ、即日対応も可能です。念のため、連絡先だけお伝えしてもよろしいですか。」
断られても、連絡先を伝えておけば次のチャンスが残ります。「即日対応も可能」という具体的なメリットを添えると、相手の記憶に残りやすくなります。
【注意】台本通りに話す必要はない
トーク例はあくまで「要点」を示したものです。実際の電話では、相手の反応に合わせて柔軟に対応します。大切なのは、4つのステップの流れを頭に入れておくことです。自分の言葉で自然に話せれば、台本を丸暗記する必要はありません。
不動産管理会社向けの切り口
不動産管理会社には、「入居者からのクレーム対応」と「空室対策」を切り口にします。
「最近この地域で、ゴキブリやネズミの被害が増えていると聞きました。退去後の原状回復時に、清掃と合わせて害虫駆除もセットで対応できると、入居前のクレームを防げます。」
「クレームを防げる」という相手のメリットを明確に伝えるのがポイントです。
【注意】根拠のない表現は避ける
「近隣の管理会社から相談を受けた」という表現は、実際に相談を受けていない場合は使えません。「この地域で被害が増えている」も、自分が実際に対応した経験に基づいて話す方が誠実です。経験がない場合は、「退去後の物件で害虫が見つかるケースは意外と多いです」のように、業界の一般的な傾向として伝えます。
飲食店向けの切り口
飲食店には、「保健所対策」と「HACCP対応」を切り口にします。
基本トークの第一声で、○○の部分を「飲食店さんの衛生管理」に変えます。
「飲食店さんの衛生管理についてご案内したくお電話しました。1分だけお時間いただけますか。」
「HACCP対応で害虫の定期点検が必要になっていますが、当社では月1回の点検で保健所への報告書類も作成できます。保健所の検査にも対応できると、近隣の飲食店さんからご好評いただいています。」
「保健所への報告書類も作成できる」という具体的なメリットが、飲食店の関心を引きます。
【注意】電話をかける時間帯
飲食店へのテレアポは、営業時間中を避けます。ランチとディナーの間(14時〜16時)が狙い目です。
害虫駆除の新規開拓で使える営業トーク【飛び込み営業】
飛び込み営業で嫌がられる理由は、「いきなり売りつけられる」という警戒心です。
そのため、最初の訪問は「今日は挨拶だけです」と伝えて、名刺を渡すだけで終わらせます。売り込まない姿勢を見せることで、2回目以降に話を聞いてもらえるようになります。
テレアポとの違いは、第一印象が「見た目」で決まる点です。トークの内容以前に、身だしなみや振る舞いで「この人なら信頼できそう」と思ってもらえるかどうかが成約率を左右します。
飛び込み営業の流れは以下の4ステップです。
- 受付で第一声を伝える
- 担当者に会えたら挨拶だけする
- 興味を示されたら追加説明する
- 次回訪問の約束を取る
飛び込み営業の基本トーク
ステップ1:受付で第一声を伝える
「お忙しいところ失礼いたします。〇〇市で害虫駆除を専門にしております、〇〇の〇〇と申します。」
(名刺を差し出す)
「この地域を担当しておりまして、ご挨拶だけさせていただければと思い伺いました。ご担当者様はいらっしゃいますか。」
「ご挨拶だけ」と明言することで、「売り込みに来たわけではない」と伝わり、担当者に会える確率が上がります。
【実践のコツ】受付で止められたときの対応
「担当者不在」と言われたら、無理に押し通さず「また改めます」と引き下がります。ただし「いつ頃お戻りですか」と聞いて、次回訪問の時間を確認しておくと効率的です。
ステップ2:担当者に会えたら挨拶だけする
「本日は売り込みではなく、ご挨拶だけさせていただければと思い伺いました。当社は〇〇市を中心に、○○を専門にやっております。」
(名刺を渡す)
「もし今後、お困りのことがあればお声がけいただければと思い、名刺だけお渡しさせてください。」
○○の部分には、相手の業種に合わせた専門分野を入れます(後述)。
初回訪問の目標は「名刺を渡して覚えてもらう」ことです。契約を迫る必要はありません。
【注意】担当者が無関心だったとき
興味を示されなかった場合は、名刺を渡して「お時間いただきありがとうございます」と引き下がります。5分以内で切り上げることが、次の訪問チャンスにつながります。長居するほど印象が悪くなります。
ステップ3:興味を示されたら追加説明する
相手が「へぇ、どんなことやってるの?」と関心を見せたら、具体的な活用事例を伝えます。
「他社がこう使っている」という情報は、相手が導入をイメージしやすくなります。業種別の具体的なトーク例は、次のセクションで紹介します。
ステップ4:次回訪問の約束を取る
「もしよろしければ、改めて具体的な料金表と対応事例をお持ちします。来週でご都合のよい日はありますか。」
初回で契約を取ろうとせず、次回訪問の約束を取ることを目標にします。「料金表と対応事例をお持ちする」という具体的な理由を示すと、相手も承諾しやすくなります。
害虫駆除の営業で選ばれる武器の作り方
選ばれない理由は、「この業者に頼む理由」がお客さんに伝わっていないからです。
例えば、料金が同じなら、安心できる材料がある業者が選ばれます。「価格以外の判断材料」を用意しておくことで、安さだけの勝負から抜け出せます。
効果的な武器は以下の3つです。
- 施工写真の活用
- 再発保証の導入
- 料金内訳の明示
最も手軽に始められるのは施工写真です。スマホがあれば今日からできます。再発保証と料金内訳の明示も、費用をかけずに取り入れられる方法です。
以下で詳しく解説します。
施工写真の活用
施工前後の写真を見せれば、言葉で説明しなくても「ちゃんと仕事をしてくれる業者だ」と伝わります。
見積もりの段階で過去の施工写真を添付したり、現地調査時にタブレットで見せたりすると、営業トークが苦手でも専門性を伝えられます。
用意しておくと効果的な写真は以下の4種類です。
- 施工前の状態: 蜂の巣の場所や大きさ、被害の様子
- 施工後の状態: 駆除が完了したきれいな状態
- 作業中の様子: 薬剤散布や侵入経路の封鎖作業
- 侵入経路の封鎖箇所: どこを塞いだかが分かるアップ写真
写真があるだけで、お客さんは「この業者は作業内容を隠さない」と感じます。特に相見積もりの場面では、写真を添付している業者と文章だけの業者では、信頼感に大きな差がつきます。
【実践のコツ】施工写真の撮り方
施工前に1枚、施工後に同じアングルで1枚。この2枚をセットで撮る習慣をつけるだけで十分です。蜂の巣や侵入経路など、お客さんが「ここが問題だったのか」と分かるアングルで撮ります。スマホで問題ありません。写真はフォルダを分けて保存しておくと、見積もり時にすぐ使えます。
再発保証の導入
「3か月以内に再発した場合は無料で再施工します」といった保証があれば、お客さんの「効果がなかったらどうしよう」という不安を解消できます。
保証がある業者とない業者を比べたとき、多少料金が高くても保証がある方を選ぶお客さんは少なくありません。技術力に自信があるからこそ保証できるという姿勢が、そのまま信頼につながります。
「保証をつけたら再施工で赤字になるのでは」と心配になるかもしれません。しかし、きちんと施工していれば再施工が発生する確率は低く、保証によって増える成約数の方が、たまに発生する再施工のコストを大きく上回ります。
保証で重要なのは、期間と条件を明確に伝えることです。「保証あり」とだけ言っても、「何日間なのか」「どこまで対応してくれるのか」が分からなければ、お客さんは安心できません。
見積もり書や口頭で伝えるときは、以下のように具体的に示します。
- 保証期間: 施工から3か月以内
- 対象条件: 同じ場所、同じ害虫に限る
- 再施工の依頼方法: 電話一本で対応
【実践のコツ】保証は書面で渡す
口頭で「3か月保証です」と伝えるだけでなく、施工後に渡す書類に保証内容を明記しておくと、お客さんの安心感が格段に上がります。A4用紙1枚に保証期間・条件・連絡先を書くだけで十分です。
料金内訳の明示
見積もりの段階で作業内容と料金の内訳を細かく示せば、「後から追加料金を取られるのでは」というお客さんの不安を解消できます。
具体的には、見積もり書に以下の3つを明記します。
- 調査範囲: どこをチェックするか
- 使用薬剤: どの薬剤を使うか(ペットや子どもへの影響も)
- 追加料金の条件: どんな場合にいくら追加になるか
追加料金の条件は、特に重要です。たとえば以下のように、金額まで具体的に書いておきます。
| 追加料金が発生する条件 | 追加金額の例 |
|---|---|
| 蜂の巣が直径20cm以上の場合 | 〇〇円追加 |
| はしご作業が必要な場合 | 〇〇円追加 |
| 薬剤の追加散布が必要な場合 | 〇〇円追加 |
事前に条件を明示しておけば、現場で「聞いてない」とトラブルになることを防げます。
実際のお客さんの声にも、料金の透明性を求める声は多くあります。あるお客さんは、「蜂の巣の大きさやはしご使用で追加料金が発生した。金額は正当だったが、最初の見積もりの段階で細かく説明してほしかった」と話しています。一方で、「しっかり正確に見積もりを出してもらえれば、多少高くても利用する」という声もあります。
出典:ミツモア「ハチの巣駆除の口コミ」
お客さんは「安さ」だけでなく「安心」を求めています。料金の内訳を明確に示すことが、価格競争から抜け出す一番の近道です。
害虫駆除で営業の手間なく仕事を獲得した事例
実際にネット集客で成果を出した3人の事例を紹介します。
それぞれ異なる課題を抱えてスタートしていますが、共通するのは「営業の仕組み化」で成果を出した点です。以下の事例はすべてミツモアを活用したものですが、マッチングサイト全般に応用できる学びが含まれています。
自分の状況に近い事例を参考にしてみてください。
| 事例 | こんな人向け | テーマ |
|---|---|---|
| 事例1:日本救急サービス | 現場が忙しくて返信が追いつかない | 返信スピードの改善 |
| 事例2:安心・駆除屋さん | 独立直後で実績がない | 開業直後の信頼構築 |
| 事例3:protagonist | 新規開業で口コミゼロからのスタート | 口コミの好循環づくり |
事例1:返信の遅れをなくして成約数が倍増(日本救急サービス)

結果: 月間成約数が20件から40件に倍増
2018年に独立した後、複数の紹介サイトを試しましたが、思うような成果が出ませんでした。最大の原因は、現場作業中に見積もり依頼へ返信できず、依頼を取りこぼしていたことです。
害虫駆除の現場は移動と作業で1日が埋まります。スマホを確認できるのは昼休みと作業後だけ。その間にお客さんは別の業者に依頼を出してしまいます。
自動応募を導入したことで、作業中でも自動で見積もりが届く体制を整えました。さらに、メッセージに「提示額はあくまで参考です。現地確認後に正確な金額をお伝えします」と添えることで、見積もり金額への不安を減らす工夫もしています。
返信の取りこぼしがなくなった結果、月間成約数は20件から40件に倍増。丁寧な対応を続けたことで口コミも増え、好循環が生まれています。
関連記事:成約数が倍増!『自動集客方式』を導入した害虫駆除プロはなぜ月間40成約を達成できたのか
【この事例から実践できること】
まずは「返信スピード」を改善するだけで成約率は変わります。自動応募の導入が難しい場合は、昼休みと作業後の1日2回、通知を確認して返信する習慣をつけることから始められます。
事例2:実績ゼロから適正価格で月20件を獲得(安心・駆除屋さん)

結果: 開業と同時に月間20件以上の成約
害虫駆除の現場で10年のキャリアを積んで独立しました。技術と知識には自信がありましたが、開業直後は大手の集客サイトに実績不足を理由に登録を断られ、お客さんとの接点が作れない状態でした。
登録料のかからないマッチングサイトに登録し、見積もりの段階で丁寧なヒアリングを徹底しました。たとえば、「虫がどこから入ってくるか」「なぜこの場所に発生しやすいか」をプロの視点で具体的に説明します。お客さんが「この人は分かっている」と感じれば、安い業者と並んでいても選ばれます。
価格は安くしませんでした。「安いから選ばれる」ではなく「納得できるから選ばれる」状態を目指し、プロとしての適正価格を守りました。
結果として、開業と同時に月20件以上の成約を達成。実績ゼロからでも、技術力の見せ方を工夫すれば仕事は取れることを証明しています。
関連記事:業界歴10年の駆除エキスパートがミツモアの活用で開業と同時に月20件の営業を成功させた秘訣とは?
【この事例から実践できること】
見積もりの段階で「なぜこの作業が必要なのか」を具体的に説明するだけで、お客さんの反応は変わります。専門知識をお客さんに分かる言葉で伝えることが、安売りしなくても選ばれる最大の武器になります。
事例3:口コミ60件超で地域トップクラスに成長(protagonist)

結果: 1年で口コミ60件超、月40件以上の安定した成約
害虫駆除業界で8年の経験を積んで独立しましたが、開業直後は口コミゼロ。大手サイトでは口コミの多い事業者が優先される傾向があり、新規参入者が選ばれるのは難しい状況でした。
「1年保証」という手厚い保証と、再発防止のアドバイスを徹底することで、他の業者との差別化を図りました。市場の相場を常に分析しつつ極端な安売りは避け、作業の質に見合う適正価格を維持しています。
特に意識したのは、お客さんが「自分では解決できなかった悩み」に寄り添う姿勢です。施工後に「またいつでもご相談ください」と伝えることで、お客さんは安心し、自然と口コミを書いてくれます。
その結果、わずか1年で60件を超える良い口コミを獲得。口コミが増えるほど問い合わせも増え、現在は月40件以上の成約を安定して取れるようになっています。
関連記事:1年で口コミ60件超。新規開業プロが集客に成功し月40件以上成約に急成長した秘訣を公開
【この事例から実践できること】
口コミの好循環を作るには、まず目の前の1件を丁寧に施工することです。月40件はすぐに達成できる数字ではありませんが、最初の5件の口コミが集まれば問い合わせは確実に増えます。まずは「施工後に口コミをお願いする」習慣をつけることから始められます。
害虫駆除の営業でよくある質問
営業が苦手でも契約を取れますか
営業が苦手でも、仕組みを作れば契約は取れます。
具体的には、施工前後の写真や点検報告書など、「見せる」ための材料を用意しておくことです。言葉で説明しなくても、写真や書類があれば専門性は伝わります。
また、マッチングサイトを活用すれば、飛び込み営業やテレアポをせずに見積もり依頼を受け取れます。お客さんは事前に金額を確認してから問い合わせてくるため、対面での価格交渉も減ります。
法人と個人でどちらを先に狙うべきですか
開業直後は、個人のお客さんから始めるのが現実的です。
法人の定期契約は収入が安定しますが、信頼関係を築くまでに時間がかかります。まずは個人の単発案件で施工実績と口コミを積み上げ、半年〜1年後に法人への営業を本格化させるのがスムーズです。
| ステージ | 狙う先 | 目的 |
|---|---|---|
| 開業〜半年 | 個人のお客さん中心 | 施工実績と口コミを作る |
| 半年〜1年 | 個人+法人への営業開始 | 定期契約の獲得を目指す |
| 1年以降 | 法人の比率を増やす | 収入の安定化 |
訪問営業で注意すべき法律はありますか
訪問営業では、特定商取引法の規制に注意が必要です。
広告で低価格を提示し、現場訪問後に高額な契約を迫る手法は、特定商取引法上の「訪問販売」に該当する可能性があります。訪問販売に該当する場合、以下のルールが適用されます。
- クーリング・オフの対象: 契約後8日間は無条件で解約できる
- 不実告知の禁止: 虚偽の説明をして契約させてはならない
- 迷惑勧誘の禁止: 断った相手にしつこく勧誘してはならない
違反した場合は、業務停止命令などの行政処分が下されることがあります。
出典:調布市消費生活センター資料「害虫駆除サービスのトラブル」
訪問営業を行う際は、料金を明確に提示し、お客さんが検討する時間を十分に確保することが重要です
HACCP対応とは何ですか
HACCPとは、食品の安全を確保するための衛生管理手法で、2021年6月から原則としてすべての飲食店に義務付けられています。害虫の侵入防止と定期的な点検・記録が重要な管理項目の一つです。
飲食店への営業では、「HACCP対応の定期点検」として提案すると、単なる駆除ではなく衛生管理の一環として位置づけられ、定期契約につながりやすくなります。具体的な提案方法は「害虫駆除の営業方法【法人向け】」の章で解説しています。
営業の手間を減らしたいなら、集客の仕組みを作る
この記事で解説した内容を、3つのポイントに整理します。
- 営業先を選ぶ: 法人の定期契約で収入を安定させ、個人の単発案件で繁忙期の売上を伸ばす
- 価格以外の武器を持つ: 施工写真、再発保証、料金の透明性で「この業者に頼む理由」を作る
- 集客の仕組みを作る: Googleマップ、チラシ、マッチングサイトを組み合わせて、営業にかける時間を減らす
飛び込み営業やテレアポも有効な方法ですが、現場作業と両立するには限界があります。
集客の仕組みを整えれば、営業に使っていた時間を施工の質の向上に回せます。施工の質が上がれば口コミが増え、口コミが増えれば営業しなくても仕事が入る。この好循環を作ることが、長期的に安定した経営につながります。
さらに営業の手間を減らしたい場合は、マッチングサイトの活用も選択肢の一つです。ミツモアは登録料・掲載料が無料で、仕事が取れなかった月は費用が発生しません。現場作業中でも自動で見積もりが届くため、営業の時間を大幅に削減できます。
技術力に自信があるなら、あとは「伝える仕組み」を作るだけです。

