特許事務所から独立して1年半。アベニール特許商標事務所の篠崎史典さんはミツモアに登録して積極的な営業活動に乗り出しました。現在では、成約率は25%を超え、鑑定業務など新しい領域も受注しています。
今回は、ミツモアで実際にどのような案件を受注できたのか、受注のコツ、今後の展望についてうかがいました。
従来とは異なる時代に合った営業方法としてミツモアを選択
──ミツモアに登録されたきっかけを教えてください。
以前勤めていた特許事務所から1年半ほど前に独立して、いよいよ積極的に営業活動を展開したいと考えていた時にたまたまミツモアから連絡をいただいたので登録しました。
弁理士として独立した直後は、それまで培ってきた人脈でお仕事をいただいたり、新しい技術の展示会で、たまたま出会った中小企業の方に特許出願のご相談や、申請の仕事をいただくこともありました。
しかし、そうしたご縁に頼るだけでは心許ないので、積極的に営業していきたいと考えていました。
──弁理士の業界では、どのような営業活動が一般的なのでしょうか?
これまでは、足を使った積極的な営業をする風潮はあまりなく、どちらかといえば「座して案件を待つ」ことが多いですね。しかし、弁理士業界も他士業と同じように、待っていれば仕事が来るような時代ではなく、営業をしなくてはいけないと感じていました。
時代に合った営業方法として、ミツモアのようなWebプラットフォームが良いのではないかと思いました。
ミツモアを介して鑑定業務など新しい領域の仕事も多数受注
──ミツモアに登録して、いかがでしたか?
一般的に弁理士事務所で仕事をしていると、特許出願手続きや特許庁に出願を拒絶された際に意見書などで反論をする案件を手がけるケースが多くなりがちです。しかし、ミツモアのように不特定多数のお客様がいるため、多種多様な案件が入ってきます。
それがとても面白いですね。私にはぴったりでした。
──具体的にはどのような案件がきましたか?
たとえば、「鑑定業務」の依頼案件が想定していたよりも多く、新鮮でした。鑑定とは、すでにある商品が他の特許等の権利を侵害していないかどうかを調べる業務です。
実は私自身も特許事務所に勤務していた時は、年間数件程度しか手がけたことがありませんでした。ミツモアに登録したおかげで経験できた新しい領域です。
依頼者を不安にさせないコミュニケーションで成約率25%以上を達成
──篠崎さんの成約率は現在、25%を超えています。成約のために工夫されていることはありますか?
やはりWeb上でのマッチングですので、ご依頼者とのコミュニケーションは大事にしています。
依頼者は出願したいと思っていますが、手続きの内容に詳しいわけではありません。だいたい依頼者の3割程度は依頼している内容と、実際に出願すべき内容とが異なっているケースが見受けられます。
──3割程度が依頼している内容と出願すべき内容が違うとのことですが、具体的にどういうことなのでしょうか?
たとえば、特許出願をしたいと依頼してきた方から丁寧にお話を聞いてみたら、実は商標出願のケースだと判明することもしばしばあります。
そのため、「すでにおわかりだろう」という前提でお話をすると行き違いが生じるリスクもあり、細かく丁寧にニーズについてお聞きすることが大切になります。登録完了までのプロセス、時間、コストの全体像を示し、依頼者を不安にさせない努力をしています。
──料金はどのように設定していますか?
弁理士の中には、最初の出願料金を数百円と非常に低く抑えておいて、拒絶理由の対応費用や成功報酬について説明が不足しているケースもあります。
当事務所では、拒絶された場合や問題なく登録された場合など数パターンの料金を設定しており、直接お会いして事前に説明するようにしております。
弁理士として中小企業の知財戦略をサポートしたい
──最近はどのような依頼者が増えていますか?
特許庁の統計資料にもありますが、最近は、商標登録や意匠登録の案件が増えているようですね。おそらくメルカリやアマゾンなどを活用して、個人事業主が商品を売買する機会が増えているのではないかと考えています。
事実、依頼者のお話からも、自分の店舗名やWebの名前を真似されたくない、あるいは自分の店舗名が他社の商標権の侵害をしていないことを保証したいという理由で、いわば屋号を安心して使う「保険」として、商標登録を考えているようです。
──「特許出願」と聞くと、大手企業が技術を守るためにするものだと思っていましたが、中小企業でもニーズがあるんですね。
はい。実際に中小企業の場合、8割以上が知財担当者を置いていない、という統計もあります。しかし、知財に対する知識を高めれば、他社との差別化や独自性のアピールができたり、社内での創意工夫が促進できたりとさまざまな効果があるんです。
お金の話になりますが、最近では、企業への融資の際も、知的財産権を取得していることや管理体制がしっかりしていることも、プラス材料として融資額の拡大や利子率の低下などのファイナンス上のメリットもあるようです。ぜひ、そうした側面からも弁理士としてお役に立てたらと思っています。

